マンション管理 Q&A(第二版)

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41 購入後に瑕疵が見つかった!補修又は解約をしたいが?

マンションを購入後、設備の不具合や壁面に雨漏りが原因と思われるシミを発見したので、売主に補修を請求したいと思っていますが、場合によっては契約の解除等も考慮しています。 どのように対応したらよいでしょうか?

購入したマンションが新築マンション(品確法適用)か、又は中古マンションで、取り扱いも違ってきますが、一般的にいえば売主の責任による瑕疵(欠陥)があった場合、買主は売主に損害賠償の請求や契約の目的を達することが出来ない場合には、契約の解除が出来ます。 民法によれば、気がつかなかった瑕疵に対しては、それを知ったときから一年間は、これらの権利を行使出来ることになっております。 しかし、宅地建物取引業法では「宅建業者自らが売主となる売買契約では、瑕疵担保責任の期間を二年以上」と定めているため、最短の二年とする契約が多いので注意して下さい。 また、瑕疵担保責任による法的責任追及は売主に瑕疵があったことを認めさせる必要があります。 一般には建物の瑕疵が売主の責任とともに、建設会社の法的責任も複雑にからみますので、その証明は容易ではなく訴訟となるケースも多々あります。

また不具合の程度にもよりますが、売買契約に基づくアフターサービスとして対応していく解決策もあります。 アフターサービスとは買主の不注意や通常の経年変化によるものを除き、売主が補修費用を負担しょうというのがアフターサービス基準です。

売主の責任の有無に拘わらず補修義務を負うため紛争の余地は少ないのが特徴です。

なお、アフターサービスがあるからといって、瑕疵担保責任を免れることにはならないので、両者のうち主張しやすく最も効果が期待できるものを状況に応じて選択することが可能です。 アフターサービスは補修のみに限定されますが、売主は補修を行うことで瑕疵担保責任の全部を免れるものではなく、買主は損害賠償請求権や解除権を留保することになります。 アフターサービス基準は業界団体が会員各社に対して求める最低水準を定めたものであり、基準を定めた業界団体に加盟していない会員(社)は拘束されません。 マンション建物のアフターサービス基準についてはインターネット若しくは出版物

(社)不動産協会の中高層住宅基準を参照してみて下さい。

最後にアフターサービスといったとき、マンションを購入した人の多くは自分の住まい、即ち「専有部分」とベランダなど「専用使用権」を持っている部分ばかりに目がいきがちです。 共用部分の不具合は、個人で分譲会社に申し入れしても、取り合ってもらえないことが多いです。 共用部分の管理者は管理組合であって、個々の区分所有者ではないからです。 管理組合(理事会)は分譲販売時のアフターサービス基準に照らして組合員に共用部分の検査の意見を集める(アンケート)等の工夫をしてその期間内に出来るだけ補修を完了させるように心がけましょう。

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