マンション管理 Q&A(第二版)

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32 大規模修繕後の1年目に屋根面から漏水が数件発生!対応は?

建築8年のマンションです。
3年前に大規模修繕工事を実施したが、1年目点検時より屋根面からの漏水が数件発生した為、施工会社に補修を依頼したところ、補修工事は有償との申し出がありました。
施行会社の申し出について疑義があり対応に困っています。

ご相談の内容を時系列に整理してみます。

1)3年前大規模修繕工事を実施したが、1年目点検時に屋根面からの漏水が数件発生した。
2)その為、保証契約に基づいて施行会社へ補修を依頼した。
3)ところが、施行会社から下記の回答があった。
『3年前の大規模修繕工事時には、屋根防水については部分補修を行った。今回の漏水の原因となっている部分は、未補修部分の不具合によるものであり、補修は有償となります。』

拝見した資料では、設計及び監理は甲会社であり、防水補修方法は部分補修とはいえ、甲会社の当初設計ではアスファルト防水となっていますが、建物竣工時の仕様書では塗布防水でなされています。
まず下記の事項を確認してみましょう。

1)まず甲会社へ事情を説明のうえ、当初設計等に関する情報を入手。
2)同時に、当修繕工事に係わった管理組合関係者からも、契約書に係わる情報の聞き取り。

3年前の大規模修繕工事の際、屋根防水については、工事が施工会社の自主管理であった場合にも、設計者への相談が必要と思われます。

ただ、施行範囲や施行方法、防水仕様等についての一部変更があったと思われますので、新築住宅の品質確保の促進に関する法律(以下「品確法「」という。)第95条によれば、新築住宅の売買において、売主は注文者に引き渡したときから10年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分(注)等の隠れた瑕疵について担保する責任を負うこととなっていますので、本件は売主に調査を依頼する必要があります。

(注)品確法施行令第5条第2項:
住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他建具
雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内側又は屋内にある部分

尚、建物の品質確保の促進に関する法律(平成12年4月1日施行)によれば、品確法によって評価された住宅以外の住宅購入者からの相談にも応じる機関(*)がありますので、ご利用をお勧めします。
(*)住宅紛争処理支援センター(午前10時~12時、午後1時~5時)
   話:0570-016-100

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