マンション管理 Q&A(第二版)

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27 第三者管理者管理方式は容易に採用できるのか?

高齢化が進んで役員のなり手がないマンションの管理の方法として、第三者管理者管理方式があることを聞きましたが、その方式はどのようものでしょうか。

マンション管理センター(新たな管理方式検討委員会)の検討結果によれば、第三者管理者管理方式とは「区分所有者以外の第三者を管理組合の管理者に選任して管理を任せる方式」です。

マンションの理事及び監事は、マンション標準管理規約第35条第2項で「理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。」こと、又理事の互選によって選任された理事長は、同管理規約第38条第2項で「理事長は、区分所有法に定める管理者とする。」こととなっていますが、区分所有法第25条では、組合員以外の第三者を管理組合の管理者(理事長)に選任することは可能ですので、その場合には、管理規約に第三者を管理者とする旨を定める必要があります。

第三者管理者管理の具体例として、投資型或いはリゾート型マンションのように役員を選出することが困難な場合に、管理業者が第三者管理者として管理組合全般の運営を担っています。

但し、区分所有法には、管理者となる者の資格要件又は管理者が行う業務の監査等については規定が有りませんので、管理組合としては、第三者管理者が行う業務が公平に行われているか、監査をする体制が必要になります。

高齢化が進んで役員のなり手がないので、第三者管理者管理方式を採用したいと思われる場合は、下記の事項について管理組合で十分に検討することが必要です。

1)第三者管理者が行う業務について、管理組合としてその業務を監査することができる体制にあるかどうか。
2)第三者管理者管理方式は、管理組合の管理業務をあくまで補完することにあって、管理組合の運営の主体は管理組合自身にあることを、認識、継続していくことができるかどうか。

さて、一挙に第三者管理者管理方式に移行するまえに、下記のように個別に顧問契約をする方法も可能です。

1)理事長以外の理事一人の業務を、専門的知識を有する外部の第三者に委託して、理事会に出席させ、理事会は通常の機能を維持する方法。
2)理事長の業務を、専門的知識を有する外部の第三者に委託して、理事会に出席させ、理事会は通常の機能を維持する方式。

何れの方式を採用されるにしても、管理組合(理事会)は第三者管理者又は顧問契約者の業務について、監査体制を形成・維持できるかどうか、相当の検討がなされる必要があります。

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