マンション管理 Q&A(第二版)

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22 駐車場、手動ドア、給湯システム等の変更決議条件は?

共用部分の形式を変更したいのですが。

1)機械式駐車場を自走式立体駐車場に変更する案、又は平置き式駐車場を自走式立体駐車場に変更する場合について。

2)手動式ドアをオートドアに変更する案については、一部反対者がいます。 このような場合、「共用部の変更」として総会で特別決議または過半数決議で可決できますか。

3)給湯システムについて、地域熱供給システムをやめて、ガス給湯器方式に変更の方向で検討しています。 この方式にすると、煙突の設置が必要となり、特別決議でよいか、又は全戸の賛成が必要でしょうか。

区分所有法第17条では、「共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決すること、並びに共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」と定められています。 従いまして、下記のように判断することができます。

1)機械式駐車場を自走式立体駐車場に、又平置き駐車場を自走式駐車場に変更する場合は特別決議が必要です。

2)手動式ドアをオートドアに変更する場合は、普通決議が必要ですので、出席組合員の過 半数の賛成が得られれば変更はできます。
ただし、一部の反対者がいた場合は、「共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない」(区分所有法第17条第2項)と定めてありますので、その人の承諾が得られない場合は決議は無効となります。
特別な影響とは、判例では管理組合としての必要性・有用性と個人の不利益を比較して判断されます。 受忍限度も含めて、個々の状況に応じて判断されるので、特に判断基準はありません。 したがって可能な限り反対者の意見にも配慮しながら、必要性・有用性をより強く訴える努力が必要でしょう。

3)地域熱供給システムをガス給湯器方式に変更する場合は、形状または効用の著しい変更に当たりますので、特別決議が必要です。

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