マンション管理 Q&A(第二版)

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19 悪臭の原因を特定するのに苦慮している!

一階のある住戸から悪臭が出ることが多く、理事会で対策を検討中ですが、何か良い解決策はありませんか。

悪臭や騒音は程度問題もありますが、人の感覚には大きな差があり人によっては、耐えられないということにもなります。 高じると不快なだけでなく健康被害にも及ぶことになりますので、慎重に対処する必要があります。 悪臭が発生する原因はいろいろ考えられます。
例えば
1)掃除や殺虫等で使用した薬品等よる場合。
2)リフォーム時の建材や配管の破損。
3)排水管の髪の毛などの詰まり。
4)キッチン下部の排水口まわりの不具合。
5)配管の小さな破損特に排水管に起因するもの等。

これらの他に、床下、あるいは居室に腐臭の原因になるものがあることもあって、原因を特定するのは容易ではありません。 相談のケースでは、理事会で悪臭の原因を特定するため大規模修繕に関連して数個の住戸を調査することにして、悪臭のもとと思われる住戸も調査の対象に入れたが拒否されたとのことです。

そこで、あくまで調査を拒否された場合の管理組合の対応を考えてみましょう。

1)まずは、理事長名で周辺居住者に悪臭のクレームがあることを知らせ、注意喚起の要望書を出します。

2)それでも解決されないときは、まわりの住戸を一つ一つ潰していく消去法で発生源を特定する調査をします。

3)許容限度が問題になるので、臭気士という資格者や建築士等に調査を依頼するか又は保健所に相談するのもよいでしょう。

4)何度も拒否されたからと言って、専有部分や専用使用権が認められている場所に立ち入り、強行措置を取ること(自力救済)は認められていませんので、そこのところは慎重に対処するべきです。

5)「共同の利益に反する行為」には、平穏な住環境を破壊するニューサンス(一種の不当行為)が該当すると言われていますので、最後は弁護士に相談、内容証明等で通知し、訴訟に訴える法的措置も必要となるでしょう。

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