マンション管理 Q&A(第二版)

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18 シックハウス症候群の原因究明はどこに求めたらよいか?

上階で浴室の給湯器が更新されました。 それが原因で漏水が発生し和室の天井と壁が汚されました。 そこで苦情を申し入れたところ上階の居住者がリフォーム業者に天井、壁の修理をさせたが今度は、家族がシックハウス症候群になってしまいました。 市役所に室内の汚染状況を確認してもらったところホルムアルデヒド0.08~0.1mg/m³ が検知され、高濃度であることが分かりました。 上階の居住者に原因究明と修復を求めたいが今は話し合える状態ではありません。 どこへ訴えたらよいのでしょうか。

相談のケースでは、シックハウスが生じたのが①天井・壁のリフォームの後②その後の測定値に高濃度のホルムアルデヒドが検出されている。(厚生労働省のホルムアルデヒド室内濃度指針値は0.08ppmである。)

シックハウス問題が提起されてから、最近ではノンホルムなどと言われる製品が使用されるようになっているが、本リフォーム工事の使用材料には従来の通常の接着剤が使用されている可能性がありますので次のことを確認してみましょう。

1)まずは、リフォーム業者にどのような合板を使用したか確かめ、使用材料のカタログをもらいましょう。 ホルムアルデヒドは、シックビル症候群の一つと言われ合板建材、家具に使用される接着剤、衣類の仕上げ加工剤から発生するガスによる刺激で呼吸器系、目、のどがアレルギー炎症を起こす症状と言われていますので、リフォームにはホルムアルデヒドの放散量の少ない建材の使用が不可欠である。

2)業者から資料をもらえない場合は、原因究明には使用された材料の規格がどうであったか正確に知る必要がありますので、財団法人建材試験センター(〒103-0025東京都中央区茅場町2-9-8 TEL03-3664-9211)に相談されたら如何でしょうか。

3)そこで使用した材料が明らかに規格外のものであったことが判明すれば、復旧のための工事見積もりを取って、上階の居住者に提示するとよいでしょう。

4)しかし、いったんトラブルになると、当事者同士の話し合いでは解決が難しいことが多いので管理組合に相談の上、管理組合立会いの下でリフォーム業者、上階の居住者とリフォームのやり直し等について、話し合いをするのも解決の糸口になると思われます。 マンション内のことですからできれば裁判沙汰は避けたいものです。

5)また、関係者と折衝する時間的余裕がなく、シックハウス症候群をはやく治癒したいという事であれば、ご自身の負担でのリフォームも考えてみましょう。

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