マンション管理 Q&A(第二版)

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11 法人が倒産した場合の滞納管理費の回収方法は?

マンションを区分所有していたA社が、管理費を滞納したまま倒産しました。 破産管財人が選任されましたが、滞納している管理費はどうなるのですか。

会社が立ち行かなくなり、裁判所へ破産の申立てを行うと、裁判所は破産の原因を確認した後に破産宣告を行ないます。 同時に、破産者の全財産の管理処分を任される破産管財人が選任されます。 破産管財人は破産者の財産を裁判所の許可を得て換金処分し、現金・預金等の財産を確保し、それを届出のあった債権者に対し、平等に配当することになります。

さて管理費についてはどうでしょうか。 管理費等は区分所有法第7条(先取特権)の定めにより、裁判費用や公祖公課と共に上記の破産手続きによることなく、破産者の財産の中から優先的に支払いを受けることができるのです。 また、支払方法についても毎月発生す費用なので、現金・預金等の財産が残っていれば随時支払いを受けることができます。

A社の破産管財人に対して今までの滞納管理費と今後毎月発生する管理費について書面で通知しておいて下さい。 破産者の郵便等は破産管財人へ届くよう手続きされていますので、送付先はA社の所在地宛で結構です。

管理費が支払われなかった場合でも、マンションは売却又は競売により、新たな区分所有者に所有権が移ることになります。 通常は売却代金等により支払いを受けますが、支払われなかった場合は、区分所有法第8条(特定承継人の責任)の定めにより、新たな区分所有者が従前の滞納管理費を支払わなくてはなりません。

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