マンション管理 Q&A(第二版)

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8 理事会への代理出席及び書面決議は可能か?

役員の資格を家族や外部区分所有者まで広げることに問題ないでしょうか? また理事会の代理出席や書面決議は可能でしょうか?

役員資格については、区分所有法に規定はないので、各管理組合の管理規約で定めることになります。 マンション標準管理規約第35条第2項では「理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する」となっています。

しかし、役員の人材確保の観点から「組合員の配偶者や一親等の親族」まで広げたらとの意見もあります。 これに対して管理組合は区分所有者の団体であること、総会の議決権は区分所有者にしか与えられていない、理事会は総会に提出する議案を決める機関であるのに総会の議決権のない人がこれを決定してよいか、家族だから、夫婦だからといって同じ意見だとは限らない等の意見もあり安易に範囲を広げるべきでないとの考えから条文が定められています。

代理出席や書面決議についてはどうかといいますと、理事会の規定には総会の規定が準用されていますが、代理人や書面による出席・決議権の行使を認める規定はありません。 理由は、理事会は先ず話し合いの場であり、話し合う前に採決の意思表示をすることはなじまない、そして理事は、その人物をして理事にふさわしいと総会で承認されたということが大前提ですから別の人物が出ることには問題があります。

しかしながら、代理出席を認めないと出席者を確保できずに理事会が成立しないケースが生じるため、マンション標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事)関係コメントとして「理事に事故があり、理事会に出席が出来ない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り代理出席を認める旨を規約に定めることもできる」と書かれています。 但しこの条文は安易に変更することを薦めているのでなく、必要なら慎重に限定した条件をつけてと理解することが必要です。

(追記)平成23年7月に標準管理規約が改訂され、役員資格の現住要件は廃止されましたので、本文は改訂前のコメントとして取扱いください。

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